背景
インターンシップに参加するが、ペアになった大学院生の思考力に圧倒され、どうすればよいのかと途方に暮れていた。そんなとき手に取ったのが本書「「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問」だ。この本は思考力を具体・抽象という視点でとらえ、具体・抽象とは何か、その重要性、トレーニング方法について解説している。社会に通用する思考力を身につけるべく、本書を読むことにした。
要約 : 具体⇔抽象で思考力は鍛えられる
筆者は、人間の知的生産を思考と知識の掛け算であると主張する。簡単に情報を入手できるようになった現代においては、とりわけ思考力が重要とされ、それを鍛えるためには具体⇔抽象という視点を持つことが必要だという。なぜなら、世の中の事象は、すべて具体と抽象という視点でとらえることができ、具体から抽象、抽象から具体という流れで問題解決がなされるからだ。この具体・抽象の変化を自由自在にできると、全くかけ離れた領域においても共通性を見出すことができ(これをアナロジーという)ビジネスにおける問題発見、解決のヒントを得ることができる。
ポイント : 能動的な姿勢
筆者はこの具体と抽象の視点を持つためには、能動的な姿勢を持たねばならないという。確かに、本文においても身近な事象を基に、アナロジーの実践問題が出されていた。これは、筆者が日ごろから物事に対して問題意識を持ち、常に抽象・具体の思考を働かせている所以であろう。さらに、抽象化はWhyから始まるとされている。日々の生活においてアンテナをめぐらし、それぞれの事象にWhyと問いかけ思考をめぐらせることは、正に能動的な行為だ。それゆえ、本書に記載された実践問題は難しく感じたが、うまくできなくとも、まずはやろうとする主体的な姿勢を持ちたい。そして、その原動力は「知りたい、共通性を見つけたい」という好奇心によって生み出されると思う。
感想
本書を読んだ後、脳に大きな疲労を感じた。それだけ、普段から頭を使っていない証拠だ。特に、私は具体の世界の住人であると思った。自らを成長させるためには、この具体・抽象の視点を取り入れなければならないと思う。そのために以下三つを実行する。①毎朝ニュースを読み、新たな情報に触れる。②Whyを問いかけ抽象化する。③その後、共通性がある他の現象を考える。これを習慣にし、具体・抽象の思考力を鍛えて参りたい。